インプラント治療を行うにあたり、どれだけの知識、経験及び適性が要求されるのかについて説明してみたい。

当然の事であるが、十分な一般歯科治療の経験が必要である。なぜならこの治療は保存（主に虫歯の治療）、補綴治療（義歯やかぶせ物の治療）の延長上に位置し、基礎的治療の上に成り立つ発展的な歯科治療だからである。

この基礎的歯科治療をなおざりにしては、決して良いインプラント治療はできない。
私的意見ではあるが、この治療法は極めて高度な総合的歯科治療である。

先ず「歯」の存在意義そして機能について深く理解していることが必要である。
それは教科書的な表面的な事ではない。自身の治療経験を通して実践的にどのように捉えているかが重要である。
それは日常臨床を通して得られるものでしかない。
そして専門的理解は、自分の治療を学会や研修会などによる客観的に評価し、研鑽を続けることにより達成される。
そこに至るまでは、研究費、研修費、材料費など多くの費用が投入されている。
それらは然るべく治療費に織り込まれて行く。
「安かろう悪かろう」という言葉があるが安価なインプラント治療はそれなりという事である。
資本主義社会において質の良いものは高額なものが常識である。

基本的にインプラント（骨に埋め込まれている部分）の経年劣化は無く、数十年の使用に耐えるように設計されている。
自身の歯と同様に咬むことができる機能をインプラントは持っている。この機能は著しく精巧で価値の高いものである。
初期費用としては高額になることもあるが、日割りすると決して高額とは言えない治療法であると私は考えている。

※当院のインプラントが高額な理由
チタンインプラントに於いてはストローマンのBLXを使用。
これは特許を持つ「Roxisolid　SLActive」というインプラント性状を装備
骨結合に対して非常に高い性能を有する。
セラミックインプラントは高価なインプラントとして価値が高い。