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私のインプラント物語

2023/11/29

 

■インプラントの歴史

自分がインプラント治療に関わり始めたのは1,995年からである。

それまでの欠損補綴は一般的な義歯治療が中心であった。

当時はまだ明治、大正生まれの方も多く、義歯に不平、不満を言う人は少なかった。

どう見ても合っていない義歯であっても、歯茎で噛み、嚙み切る事無く、難なく丸ごと飲み込んでいたのである。

やはり明治、大正生まれの方は幼少期の食べ物が良かったお陰で歯肉や、それを支える顎の骨が丈夫なのかもしれない。或いは戦前教育が影響してか医師への畏敬の念から諸々申し立てる事はしないのかも知れない。

平成も中頃には義歯を使われる方は昭和生まれが中心になり、義歯は「痛い」、「噛めない」、「話せない」などを言われる事が増えた。所謂「堪え性」が無くなってきた様に感じる。

そんななか、「インプラント」なるものが存在を示す様になってきた。

当時のインプラントは「サファイアインプラント」、「ブレードインプラント」、「骨膜下インプラント」、「歯内骨内インプラント」など今では聞いたことがない様な名前も出てくるが玉石混交、多種多様なものが出回っていた。

 

いまでは俄かに信じ難いが「骨膜下インプラントの大家」といわれるインプラントロジストが業界を跋扈したこともある。このインプラントは数年使うとほとんどが口腔内に露出し、歯茎から膿が出てきて使えなくなる。

サファイアインプラントは今でもうまく使われている方もあると思うが、上部構造物の5年生存率は極めて低い。

 

■チタンインプラントの登場

そのような中、彗星の如く表れてきたのがチタンインプラントである。オリジンはスゥエーデンの整形外科医であるブローネマルク博士の臨床での発見である。

腫瘍が原因で眼球摘出を受けた方への最上級の義眼を作る事を試みた。その過程でチタンのスクリューが骨に結合することを発見した。さらに義足で応用してみると同様に高性能なものが製作できたのである。

そこでこの「チタンインプラント」を口腔に応用してみたところ、顎の骨にもしっかりと結合する事が確かめられた。自分の歯とほぼ同じように機能する。「痛い、噛めない、話せない」からは、もうおさらばだ。日頃の鬱憤が一気に解消される。

当初シリンダー型(筒型)とスクリュー型に研究が分かれていたがスクリュー型に収束されてきた。世界中のインプラントメーカーが挙って研究販売を始めた。

欧米ではすでに市民権を得た治療法であったが、日本での認知度まだ低かった。凄いものが欧米では流行っていたのである。

これは義歯で苦労された方々を本当に幸せにできると感じ、自分は本格的に仕組みや技術を学び導入を始めた。

 

■インプラント埋入の実績

・初めてのインプラント埋入

自分が最初に埋入したのは、2,000年冬であった。60代女性、入れ歯も気持ち悪くて使えず歯が無くて苦労されていた。

初めての施術は緊張する。下顎の奥歯の2本であったが、慎重に慎重を重ね2時間くらいかかった記憶がある。

難なく埋入を終え、縫合止血を確認、経過は頗る良かったが、2週間ほどしてインフルエンザに罹患された。体調悪く食事もできず、ブラッシングもできない中でのインプラントと骨の熟成は容易ではなかった。インフルエンザが落ち着いて、しばらくして後、インプラントの動揺を認めた。そのまま少し様子を見ていたが、回復する見込みがないので、撤去しその後半年位骨の治癒を待って再埋入、インプラントと骨の結合は認められ、その後10年位経過を見たが経過良好であった。

インプラントが骨に馴染むまでの免疫機能の大切さをしみじみ味わった症例である。

 

・インプラント治療希望者の声

その後この治療がいかに優れたものかを知る方々が増えてきた。

上顎に既に素晴らしく出来栄えの良い金属床義歯を装着された50代女性が来院した。インプラント治療を希望している。すでに良好な義歯を使われているので、不自由は無さそうであったが、義歯とお別れしたいとおっしゃる。そこで思い切って治療に臨み上顎3本のインプラント治療に取り組んだ。その後何でも思いっ切り食べられるようになり、噛む事や人前で笑うことに何ら躊躇も無くなり、人生が楽しくなったと言われた。

それからは定期的なメンテナンスにこられ20年以上何も問題なく御使用いただいている。

現在70歳を超えても快適な食生活を送られている。ステーキや刺身など何でも食べることが出来るので栄養状態もすこぶる良い。

 

■インプラントの進化

インプラント素材や治療技術は日進月歩である。治療費がある程度かかるが、これに享受できる患者様は本当に幸せだと感じる。

現状では、スクリュー型チタンインプラントに勝る物はないと考えている。

10年位前からセラミックインプラントが開発されてきた。発展はこれからと考えている。

現在ではブローネマルクというメーカーのインプラントを使っていた。最近は10年以上世界NO.1のシェアを持つスロトーマンを採用している。

世界で現存するインプラントの中で研究成果に優れ、洗練されたインプラントコンセプトを持つストローマンに大きな信頼を寄せている。

 

インプラント治療により食事の内容、量ともに豊富になり、栄養状態も向上する。

これは取りも直さずこれが、健康、アンチエイジング、認知症予防に寄与する秀逸な治療法であることに間違いないと確信している。

これからの益々の発展に期待したい。