HOME構造医学からのインプラントのメリット
先ず、生命への問いから始まります。鮭は、産卵のために上流へ上流へと流れに逆らって、ひと時の休みも無くヒレを動かし続け、自分の生まれた清流を力強く上がって行きます。このように清流に抵抗して、川を上ろうとする不断の動きこそが「生」そのものであり、これとは対照的に流れに全く抵抗できない姿が「死」を意味しています。
植物は、土に種をまくと芽を吹き、茎は空の方向、つまり地面に垂直に伸びていきます。実はこれは、地球の重力の流れに向かって伸びるように活動しているのであって、清流を遡上する鮭も、川の流れが重力によることから、やはり重力に応じていることになります。
さらに、人類や動物の全てが、この重力の流れに向かって応じた構造に成長していくことも事実であり、その構造も静止している場合は極めて不安定で、変わらない動きの活動があってこそ、安定した状態の維持ができるようになるのであります。地球の重力と人体の骨格構造、内臓機能、体をつくる水やタンパク質と熱の関わりなどの物理学な側面から、病気の原因を探り、治療を行っていく学問が構造医学です。
構造医学は、私たちの生まれた地球がもつ重力と、人の骨格と内臓のつながり、病気とタンパク質と熱の研究などを重ねてきました。そして従来の医学に物理学と自然人類学の視点を与えることで、秩序ある人体観と新しい病理像を構築しています。同時に構造医学は、重力線を基にする身体に害のない診断法と、侵襲の少ない治療法を確立し、多くの診療成果を挙げてきました。
構造医学の観点から、一番大切なことといえるのは、「嚥下・咀嚼」があげられると思います。それは、取りも直さず「確り咬めて、飲み込める」ことにつながります。例えば、下の奥歯を喪失したとします。これにより咬んだときの上と下の歯の接触が変わります。そのまま放置すると、下の顎は、前に出てきます。ですから歯が無い人、特に総入れ歯の方は、下の顎が前に出てきます。それなりに重いので体のバランスをとるために、首が前に傾き、頭が前に出てきます。食道が狭くなり飲み込みにくくなります。そしてさらに、背中が曲がります。
ですから、高齢者は前屈みになり、杖を突いて歩くのです。そして、よく噎せる様になり、誤嚥を起こしやすくなります。その結果肺炎に至り、命を落とすこともあります。もし、奥歯まで自分の歯で確り咬める方ならば、前屈みで、よぼよぼした歩き方にはなりません。さらに、誤嚥を起こしにくいので肺炎にもなりません。少し難しくなりますが、もう一つ大切な観点では「重力対して鉛直方向の力を与える」ということです。これが地球上では人にとって安定した力を発揮できることになると思います。下の顎が前に突き出ることなく、ある程度の定位置で咬み合わせを継続し、良好な咀嚼を維持するために、インプラントは極めて有効な治療法だといえると思います。
データ上では概ね義歯(取り外し式の入れ歯)では通常の50%、ブリッジ(固定式の入れ歯)では通常の70%程度しか噛めないのです。いずれの治療法も栄養摂取効率が下がり免疫力の低下を招きます。インプラントでは天然歯とほぼ同等の咀嚼効率を示します。もちろん、体質に合わない方は健康度が下がることもあるので心配な方は事前のチェックを受けてください。
歯が減り食べれなくなると脳の活動力が低くなるので認知症になり易くなります。また、食べれなくなると鬱になることが多いものです。うつ予防にはセロトニン、メラトニンなどの摂取が必要です。
高齢者の死因第1位は嚥下性肺炎です。咬める義歯をキッチリと入れていれば良いのですが、医療保険適応の義歯でしっかり咀嚼できる方は多くありません。インプラント治療では咀嚼率向上に非常に有効な治療法です。
現在の日本社会は見た目(審美性)良くすることも重要です。特殊なケースを除き、インプラント治療は義歯やブリッジよりも審美性を向上させます。特に、ジルコニアインプラントでは顕著です。
21世紀に入り、インプラントシステムが確立しました。これまでの研究成果により、より確実で安心できるシステムが樹立しています。